研究開発は特許取得だけではなく商品化までしてようやく中間点

知財戦略

知財戦略として行う研究開発のゴールを見失ってはいけない

知財戦略として研究開発は多くの企業で行っています。しかし、特許取得で終わっているケースが多いのが現状です。これではただ費用を投下しただけで収益が伴っていないため、そのまま特許の期限が経過したら、研究開発としては失敗と言わざるをえません。そこで、半導体業界を参照しながらこの点を具体的に検討します。

半導体に関する特許件数と事業化の現状

日本の半導体特許件数が、およそ20年ほど前から積極的で、2021年の欧州への出願も前年比約20%増加するなど、国家としての注力分野となっています。しかし、近年、世界的に半導体不足が叫ばれている現状を見てわかるように、日本企業は特許を取っていても商品化に至っていないのが現状です。その理由としては、

  • 歩留まりが悪い
  • 製造体制不備
  • 人件費や税金によるコスト高
  • 素材の確保困難
  • 工場設備の遅れ
  • 有害物質処理の遅れ等法規制対応に後手
  • オープンクローズ戦略による独鈷情報の不開示

といった要因が挙げられます。

解決する方法

こうした、研究開発費をかけて特許権を取得したにも関わらず、収益化ができないという課題の解決のために企業は様々な工夫をしなければいけません。ここで、以下のような工夫が考えられます。

まず何より、商品化・事業化が必達目標であると認識し、前項で指摘したような阻害要因を1つ1つ潰していくことが必要です。

また、取引先、例えば製造委託先が安心して製造できるよう、オープンクローズ戦略を若干修正し、厳密な機密保持義務のもとで、製造委託先や提携先には特許情報を積極的に開示するという柔軟な対応を検討することも必要です。

まとめ

特許戦略に基づく研究開発は、特許を取得できれば終わりというものではなく、投資したコストを回収しなければ意味がありません。しかし、そのためには難題が多く、経営・IT・会計・税務・法規制を横断的に理解し、その応用が必要となることが多いです。

当研究所では、経営・ITに詳しい弁護士・弁理士・公認会計士が、御社の課題に総合的に対応いたします。下記よりお気軽にご相談ください。

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