弁護士×弁理士だからできる 先代のコア技術を再生する知財戦略

知財戦略

先代の技術で事業がうまくいかなくなった場合どうする?

製造業などは、先代がコア技術を開発し、その運用により事業が継続しているところも多いと思います。しかし、変化の激しいこの世の中では、新しい技術は次々と出現し、既存の技術は短期間で陳腐化してしまいがちです。そのため、どのような企業でも、先代の技術が市場に通用しなくなり、新事業を模索しなければならない時期はやってきます。本稿では、①優れた先代のコア技術があり、②新事業開発に向けた人的・物的資源を大きく割く余裕のない企業が、③知財戦略ベースで危機を乗り切る手段を検討します。

コア技術に特化してまずは策を講じる

先代のコア技術が通用しなくなると、その技術はもう過去の遺物で、全く新しい道を探ろうとする方は少なくありませんが、これは得策ではありません。そのコア技術は、一定期間に渡って市場で通用してきた以上、優れた技術であり、顧客誘因力があるからです。そのため、これをベースに新しい策を講じるのは必須の前提となります。全くの無から新しいものを生み出そうと考えてもそう簡単にできることではありませんし、無暗やたらと策を講じて失敗しても何も残りません。コア技術周辺で何かを講じて失敗した場合、その失敗もまた関連ノウハウとして蓄積されます。これが一定程度蓄積された際に新しく有効なアイディアというのは生じるものです。

異業種とコラボしよう

最近、異業種間でコラボが進んでいます。例えばこれまでデジタル業界との接点が小さかったタクシー業界が、ネットを通じて予約を受けたり、競合他社の少ないエリアを割り出して効率的に流しの客を得るような試みが進んでいます。御社のコア技術も、同業者の間では既に陳腐化してしまったものかもしれませんが、異業種とコラボすることで、思わずシナジーを生じて、復活することも決して珍しいことではなく、これまでの経験則に捕らわれずに、自由な観点で新しい業界とのコラボを考えてみるのが1つの考え方です

潜在顧客のニーズを把握する

ウェブサイトや展示会などで、コア技術を広く知ってもらうとともに、これを活用して新しい使い道を一般聴衆から広く募ることも有効な方法です。例えば農産物の乾燥技術を有するとして、その乾燥する状況の動画をサイトで紹介して意見を求めることで、農産物以外の意外な物品を乾燥するという事業が生まれるかもしれません。

こうした一般からの意見は社会のニーズそのものであり、意見者はまさに潜在顧客ですので、ウェブサイトで意見を募ることで、新事業のネタと客を両取りできる可能性があるのです。

オープン・クローズのメリハリを

こうして得られる新事業の着想はすべて御社の無形資産であり、事業化に向けて権利化するものと、社内ノウハウとして秘匿するものとを適切に分別し、前者は速やかな出願、後者は契約等のしかるべき対応が必要です。

まとめ

以上のように、事業が右肩下がりで新事業を模索しなければならない場合でも、基本は、先代から承継したコア技術であり、これに付け加えるものを他者に依存して新しい良いビジネスモデルを組み立てるのがセオリーで、これも知財戦略に含まれます。そして、そのためには、法律と知財実務・経営・会計に精通した専門家のサポートが非常に有効です。当事務所では、経営に精通した弁護士×弁理士×公認会計士が、知財戦略や事業再生の経験を駆使して広範囲にわたるトータルサービスを提供しております。下記よりお気軽にご相談ください。

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